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対話から始める教育改革!(前編)

おはようございます。
教育委員会事務局の増田です!

ある晩。ある方からメッセージをいただきました!
その方は、三宅町長、教育長、教育委員会事務局長との懇親会終わりだったそうです。「対話の場に参加させていただき、とても楽しかったです!」との書き出しから始まり、「今から京都で飲み直します!」とのメッセージまで!?

教育長が発起人!?初めてづくしの研修

実は、その日の午前中に三宅町で研修を開催したんです!
その研修は「三宅町合同研修会」として、三宅町の役場、教育委員会事務局の職員、学校の教職員、それに教育委員の方々、他にも他市町村の教育委員会事務局の方々も参加する研修でした。

発起人はなんと三宅町教育長!
この研修の開催にあたり、こんな仕事まで教育長がしてくれました!

①講師との日程調整
②学校の職員研修としての先生方の参加依頼
③町長や役場の部局長との調整
④研修のチラシづくり
⑤講師との研修内容の打合せ
⑥当日のゲストとしての大学生への出席依頼
⑦次第などの資料の作成
⑧当日の講師の送迎
⑨研修の司会進行
⑩研修後の懇親会のセッティング などなど

もはや何刀流かわからないぐらい…
教育長就任後初めての学校向けの研修会で、学校の教職員、教育委員会事務局の職員、役場職員、教育委員の方が揃うのは三宅町でも初めてでした。
それに、コミュニティ・スクールというテーマでも初めての開催でした。

研修のテーマは「コミュニティ・スクールを導入して何を目指すか」

ここからようやく真面目な話を。
今回の研修のテーマは、「三宅町でコミュニティ・スクールを導入して、何を目指すか。何をしたいか。」の共通認識を持つことでした。

コミュニティ・スクールは少し前にも記事を書きましたので、こちらも是非ご覧ください!

なかなか大きな枠組みの難しいテーマですが、講師の方は快く快諾いただきました。(ほんとうにありがとうございました!)
 
講師を務めていただいたのは、文部科学省のCSマイスターをされている福岡県春日市の「西 祐樹さん」。(とてもスマートで、かつ柔軟性もあり、かつバイタリティーあふれる方で、どこか教育長にも似ていて、面識はなかったのですが、もっと話したい!と思える方です!実は冒頭のメッセージをくれたのも西さんなんですwとてもお酒が強い方で、いつかお酒を交わしたいなと思います。)

西さんは自分と同じく行政職員で、人事異動により教育委員会事務局に配属され、春日市のコミュニティ・スクールの導入に尽力された方です!その後に文部科学省へも出向され、現在は春日市の財政課へ異動されたようです。ただ、現在も職員という立場とは別にまさに複業として教育に携わられております。

まずはCSマイスターのご講演

そんな研修では、まず、西さんからのコミュニティ・スクールの概要や全国での取り組みのご紹介をいただきました。その内容は次のようなものです。

①コミュニティ・スクールの必要性
②子どもたちに将来求められる能力
③コミュニティ・スクールの目指す姿と役割
④コミュニティ・スクールのよりよい運営
⑤ジブンゴトが生まれるプロセス
⑥教育委員会事務局の役割
⑦対話で繋がり、まとまると強い!

詳細は後編で!!

私の理解で西さんの講演をまとめると、こんな感じでしょうか。(間違っていたら、ごめんなさい…)

子どもたちに求められる資質・能力が多様化しています。また、社会の変化に伴って家庭や地域で対応してきた課題も学校で対応することが求められるたり。

学校に求められるものは多様化し、教職員の負担が増大しています。

そこで「学校の在り方をみんなで考えよう」「どのような子どもたちを育てていきたいか、みんなで考えよう」と。いうものがコミュニティ・スクール導入の目的です。

そして、コミュニティ・スクールという手段を用いて何をするか。この大きな目的・ビジョンは三宅町が、教育委員会が考えていかなければならない大きな課題です。

ただ大きな方向性としては、「子どもたちの未来、地域の未来を創ること」ということです。この大きな方向性は教育長が就任当初から言われている「学校づくりをまちづくりの一環として行なっていきたい!」という言葉を体現するものとなるはずです。

盛り上がったグループワーク

そんなこんなで、コミュニティ・スクールの導入に向けた第一歩として、今回の研修では三宅町で、子どものため、三宅町のために働く、学校の教職員、教育委員会、教育委員会事務局、行政職員が「子どもたちの未来、地域の未来を創る」という大きな方向性を共有するためのグループワークを行いました。

具体的には、「コミュニティ・スクールを導入して、三宅町の小学校でやりたいこと」や、「不安に思うこと」を話し合いました!

しかも、ワールドカフェ方式!
ワールドカフェ方式とは、簡単に言うと色々な意見に触れ、アイデア出しをするための会議形式で、他のテーブルの意見を聞きながら、最初のテーブルに戻って、他で聞いた意見を持ち帰るものです。(説明が難しいので、こちらをご覧ください。)

教育委員会にいても、校長先生、教頭先生以外の先生とはなかなか話す機会がなかったので、ほとんどの参加者が初対面同士ということもあり、どうなるかヒヤヒヤしながらの開催でしたが、蓋を開けてみれば、話が途絶えることもなく、会場中のテーブルで三宅町の学校や子どもたちのことをみんなが話し合っていました。

参加者からは、子どもたちの学力、保護者と学校の関わり方、通学路の草刈り、地域の大人の関わり方、子どもたちの主体性などなど。

会議後にそれぞれのテーブルに書き込まれた模造紙を見てみると、やりたいこと、これからの希望、不安や課題までほんとうに多様な意見が書かれていました。

今回は職員が中心の内部の研修でしたが、役場主催のではなく、いつか子どもたちや学校の先生、住民の方など学校や地域に関わる皆さんが主催するワークショップをできるようになるのもすてきだなと思いました。

あるテーブルの模造紙の様子


教育委員会事務局としての覚悟

今回のコミュニティ・スクールの取り組みは、地域と学校との対話を通じて、学校の在り方を見直し、地域と共に学校を再度作り上げたいくことが求められます。

その先には、学校、教育委員会を軸とした、地域づくり、まちづくりへと繋がりそうです。町長の掲げる共創の一つのカタチかもしれません。

以前、政策推進課にいたときに、miimoの運営を検討していたときに島根県雲南市へ視察に行き、小規模多機能自治(地域自主組織)の話を市役所の担当者から伺いましたが、この取り組みで住民の方の主体的な取り組みが進むにつれ、地域の悩みも複雑化、多様化していき担当職員の役割も増大していくようです。

*小規模多機能自治は、市町村合併により市町村が拡大し、これまで身近にあった行政が遠くなり、行政の細かなサービスが行き届かなくなるのではという不安から行政と自治会の中間的な組織を作る取り組みです。

https://www.chisou.go.jp/sousei/about/chiisanakyoten/pdf/181119_chugokusikoku_siryo3.pdf

今回のコミュニティ・スクールも小規模多機能自治と同様に、活動ご発展していけばいくほど、教育委員会事務局の負担も増えていくような気がします。

教育委員会事務局として、一度進めば後戻りできない、かなり覚悟が必要な取り組みです。

ただ、それは後ろ向きな負担ではなく、かなり前向きな負担のため、やりがいも大きいのではとも思います。

西さんから発表していただいた全国の事例でも悩みはありつつも、子どもたち、学校の先生、地域の方々はとても生き生きしていました。

ある自治体でコミュニティ・スクールの取り組みに関わった保護者がPTA活動から地域活動へと活動の場を広げられたこともあるようです!

三宅町でも子どもたちのため、学校の先生のため、地域のため、令和7年度からのコミュニティ・スクール導入を目指して準備を進めていきます!


コミュニティ・スクールを設置後にも、どれだけ上手く進めることができるか。他市町村の取り組みをそのままコピーすればよいものでもありません。三宅町の、三宅町による、三宅町のためのコミュニティ・スクールが求められるます。

失敗も多いかもしれません。ただ、教育委員会事務局では、覚悟を持ってこの取り組みを進めていければと思いますので、三宅町の皆さま、三宅町の教育に関わる皆さま。今後ともよろしくお願いいたします!

コミュニティ・スクールの取り組みは今後もこのnoteなどで発信していきますが、後編では、もう少し西さんの講演内容を掘り下げてご紹介したいと思います!