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役場VSハト 続き
前回(役場VSハト)の続きです。
読まれていない方は、先に前回分を読んでいただけた方がより楽しんでいただけるかと思いますので、ぜひ。
全て覆ってしまえばいい
ハト対策の失敗から色々考え、周りの方から意見をいただいた結果、屋上からネットを垂らし全部覆ってしまうことにしました。
先に庁舎裏側の一部分を屋上から地面まで丸ごと覆うことにしました。
そこは、かつてネットが張られていた箇所で、それが破れて役目を果たしていませんでした。
一部分とはいえ、ネット1枚では足りません。
何枚かを結束バンドで繋ぎ合わせて十分な大きさに。
設置前にハトを追い出し、ネットを投下します。
なかなか良い感じに着地。
動きにくいよう周りの柱や何やらに結わえ付けます。
これがなかなか面倒で、なんだかんだとけっこうな時間がかかりました。
ようやく良い感じにネットを固定し、一息つきながら上を見上げると、そこには1羽のハトが。
作業の途中で隙を見て入ってしまったのだろう、どうやって追い出そうか。
そんなことを考えていると、ハトが飛び立ちました。ネットの目を抜けて大空へ。
、、、なるほど。
どうやらネットの目が粗く、頑張れば突き抜けられるようです。
正直なところ、まあまあショックでした。
ですが、設置してしまったものはしょうがないので様子を見ることに。
そこからしばらくの間は根性のあるハトが数回ネットを突き抜けて侵入してきましたが、時間が経つにつれその頻度は減り、最終的にはほとんど見かけなくなりました。
目の粗いネットでも十分な効果があるとわかりました。
お次は庁舎の西側全面を屋上から2階ベランダまで覆う作戦に取りかかりました。
そこからはネットを繋ぎ合わせて、でっかいネットを作る作業へ。
ネットとネットをたるまない程度の位置で結束バンドで留めまくる日々。
隙を見ては庁舎にある広い部屋で作業、作業の繰り返し。
立ったりしゃがんだりを繰り返すうちに痛むヒザの古傷。
悲鳴をあげる腰。
時々襲いかかる虚無感。
自分は何をしているのだろうと天井を見上げることもしばしば。
それでも同じ課の皆さんの助けを借りながら、十分な大きさのネットを完成させました。
いざ設置
そして、機会を見計らっていざ設置です。
まずは一旦ハトを追い払います。
屋上の縁の折り返し部分にフックを付け、でっかいネットを放り投げます。
途中ひっかかったりしながらもうまく垂れ下がってくれました。長さもちょうど良い感じです。
ですが、やっぱりまあまあ時間がかかってしまいました。
垂れた部分を結束バンドで固定してまわります。
その道中、案の定侵入していたハトを追い出します。
これはその時に気づいたのですが、逃げ場のない狭い空間で野生の鳥類と1対1になると、めっちゃ怖いです。向こうはネットに阻まれ脱出できないことでパニックになり、羽をばたつかせながら暴れ狂います。これがまあ怖い。
護身用のほうきを片手になんとか追い出しに成功し、仕上がりを下から確認。
これは、、、なかなか。
素人らしい不格好な箇所もありながら、大胆かつ繊細な製作者のこだわりがうかがえる、まさに芸術。興味がある方は一度、じっくりご覧ください。
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最後の大仕事
大きいところが終わり、十分に自画自賛をしたあと、いよいよ先述した(前回参照)大問題に向き合うときがきました。
ハトの集会所と化していたのは、3階のベランダ。その中で他のベランダと地続きになっていない独立した3、4畳ほどのスペース。
人が立ち入ることがほとんどないため、ハトにとっての憩いの場となっていました。
当然、糞も大量。
「足の踏み場もない」では済みません。
数㎝の厚みを持つほどに積もった糞が一面に敷き詰められていました。
外開きの扉を開くときに抵抗を感じるほどです。
ただ、これまでの対策とは違ってやることは明確です。
糞を取り除く、これだけです。
これだけですが、問題は気持ちです。
大量のハトの糞に足を突っ込んで、その糞を回収する作業にどうして気持ちが前を向きましょうか。いや、向きません。
まして、ハトの糞がどれほど有害かを知ってしまった後で、その糞にまみれることにどうして前向きになれましょうか。いや、なれません。
誇張はしていますが、その当時の正直な気持ちはこんな感じでした。
とはいえやらないわけにもいかないので、時間を作っていただき、課長と二人、防護用に雨合羽とマスク、軍手を装着し、スコップを携え、いざ戦場へ。まだ暑さの残る9月の末のことでした。
汗だくになりながら、黙々と糞をスコップですくっては段ボールに詰めていきます。
最終的に十数個の段ボールが積み上がりました。
最後に、設置したネットにひっかかって亡くなったハトの死骸も回収。
段ボールを屋外に運び出しました。できるだけ人に接触しにくいルートで。
終わりのない戦い
大仕事を終え、これでようやくハトとの戦いが終わったのだと、胸をなで下ろしました。
しかし、
戦いは、
まだ、終わっていませんでした。
これまで被害の少なかったところに突如大量の糞。
大きなところは確かに終わりましたが、まだまだ細かいところで被害が続いていました。というより、大きなところを封じたことで、そこに集まっていたハトが安住の地を求めて違うところに移動したのです。
正直、疲れました。
やってもやっても次から次に出てくる問題。
ハト対策を面白おかしくいじってくる同僚。
飛来し続けるハト。
それでも、少しずつ対策を打っては効果を見て、ダメそうなら次の手を打つを繰り返しました。
そして、令和6年末時点で、ようやく概ねハト対策が終了しました。
おかげさまで今、三宅町役場の庁舎にはフクロウが4羽ぶら下がっています。
赤くて、キラキラしていて、鈴の音が心地よい、ホームセンターで出会ったフクロウが4羽です。よく強風にあおられてくるくる回っています。
子どもだましに見えるこのフクロウですが、意外と効果があるようです。
(先日、1羽行方をくらませました)
実際、まだ完璧な対策ができているとは言いがたいですが、とりあえずはここまで。
ここからは問題が発生したところを後追いで処理していくことになりそうです。
これまで気にかけたことのなかった「ハト」の問題。きっと三宅町役場で総務課で管財の担当になっていなければ気づくこともなかったことでしょう。
これ以外にも総務課にはなかなか変わった仕事が舞い込んできたりします。
それはまた別の機会に。
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