根っからの文系財政担当が決算報告書をつくるとこうなる
こんにちは、はじめまして。
奈良県三宅町役場政策推進課の山本です。
突然ですが、みなさんは文系ですか?理系ですか?
私は小学校の頃から計算が苦手な、ゴリゴリの文系です。
(算数が数学になってから苦手になった~、とかではなく、算数のときから苦手なんです。)
なんと、そんな私が町の決算報告書という数字ばっかりの冊子を作成することになったのです。
そもそも決算報告って?
決算報告、と当たり前のようにのたまっていますが、日常生活で決算報告という単語を使うことは滅多にないですよね。
(決算セール、という単語ならココロオドルのですが・・・)
でも、実はみなさんの住んでいる市町村でも決算報告していると思います。
決算とは、簡単に言ってしまうと町の「家計簿」です。
町にどれだけのお金が入ってきて、どれだけのお金が出ていったのか。
どういうお金が入ってきたのか、どういう事業にお金を使ったのか。
そういったことを1年間のまとめとして住民のみなさんにお知らせする、お金に関する報告です。
三宅町では、住民のみなさんにより決算を知ってもらうために、昨年度から決算報告の冊子を作成し、広報誌に折込しています。
町の資料の中でもとっつきにくさNo.1!
これは公務員がつくる資料あるあるかもしれませんが・・・とにかく面白みがないのが特徴です。
そりゃそうです。決算報告で一番に求められるのは正確さ。
住民のみなさんに正確な結果をお伝えすることが決算報告のやくめです。
しかし、真面目でお堅い資料(その中でも、特に決算報告書)はとっつきにくくて、なかなか内容を見ていただけないことが多い。
かくいう私も財政担当になるまでは自分の住んでいる町の決算報告・・・正直スルーしてしまっていました。
(今は読んでますので、許して!)
とにかく数字が多いし、専門用語ばかりでなかなか読むのがつらいのです。
決算報告書をつくるのは何のためか?
そんな決算報告書ですが、町の重要な資料であることは間違いありません。
根っからの文系で数字苦手な私だからこそつくれる決算報告書があるはず!
とっつきにくい決算報告書のページを開いてもらいたい!
そんな意気込みを持って、決算報告書づくりに取り掛かったのですが・・・そこからは、試行錯誤の日々でした。
Q&A方式、ゆるいキャラクターに解説してもらう・・・
どれもしっくりこず、パソコンを見ながら唸る毎日。
もう完成しないのでは・・・と絶望しながら作業している中、私のパソコンを後ろからのぞき込んだ課長が一言。
「なんかわかりにくいな」
がーん。
第三者からの的確な意見に、目を背けていた現実を突きつけられました。
ショックを受けている私に、課長がもう一言。
「もっと、思い切ってやってみたら?」
その一言がきっかけで、もう一度初心にかえって、「住民のみなさんが決算報告書を読みたいと思うのは、どういうときか」をよく考えてみることにしました。
町はどれぐらいのお金を使って、どれぐらいのお金が入ってくるのかな。
町がやっている、あの事業っていったいどれぐらいのお金がかかるのかな。
つまり、町の動向や事業が気になるとき。
住民のみなさんに決算報告書のページを開いてもらうためには、町、ひいては町のすることに興味を持ってもらっていることが大前提。
ならば、まずはそこからはじめたい!!
決算報告書の方向性が決まった気がしました。
興味をもってもらう「きっかけ」からはじめる
そうして完成したのは数字よりも文字と写真が多い決算報告書。
以下の3点にこだわってつくりました。
①決算報告書を「決算・事業活動報告書」としてつくる
町の事業を決算報告とともに掲載することにしました。これにはメリットが2つあって、町を知ってもらう第一歩として事業を知ってもらえることと、決算と事業紹介が並行することとで「どういう事業にいくらのお金が使われているか」が連想しやすくなる、ということです。
②事業を担当している職員の想いを掲載する
事業紹介の記事をつくっているとき、事業を担当している職員の想いも知ってもらえたらいいなという気持ちがわきあがりました。そうすれば、血の通った事業紹介になるし、住民のみなさんにもより親近感をもって事業内容を見てもらえるかなと思ったからです。
(余談)
ただ、今までしたことないことだったので、担当職員の方々がどう思われるか少しばかり不安だったのですが、みなさん熱い想いを教えてくださりました。いつか三宅町役場の全部の課の熱い想いをお伝えする機会があればな~、と夢を抱いてしまうほどうれしかったです。
③事業に関する写真を掲載する
そして、事業に関する写真を多く掲載しました。
既存のとっつきにくいイメージを払拭するため、できるだけビジュアルも親しみやすく!を目指しました。
興味から、その先へ
三宅町では町のHPに決算書を掲載しています。
(令和4年度決算書の掲載は近日中に行う予定です。申し訳ございませんが、しばらくお待ちください)
決算書は、決算報告書の詳細版です。
ですので、まずは決算・事業活動報告書で町の事業やその事業にかかるお金などに興味を持ってもらう。
そこから、さらに興味をもってもらった方へは決算書をみてもらうという流れをつくっていければと考えています。
(他にも、いろいろな手法を検討していきたいです)
伝え方は、多種多様にある
決算・事業活動報告書をつくって思ったことは、同じ情報でも伝え方は多種多様にあり、誰に伝えたいか、どのように伝えたいかで手法が変わるということ。そして、正解はないということ。
今回の私の伝え方の目標は、「ページを開いてもらう、興味を持ってもらう」ということです。少しでも多くの方が興味を持ってもらえれば、うれしいです。
最後に、こっそりと決算・事業活動報告書を貼り付けておきます。