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noteで復命書を作ってみた~奈良にいい会社をつくろうサミット2023編~
みやけイノベーション推進部の岡野です。
復命書って、社会に出たら急に現れる言葉の一つだと思うのですが、今回の記事はその復命書です。
当町も公務員組織ですので、出張行ったら復命書作るんですが、復命書の代わりにnote記事でもいいよとのお達しがありましたので、オンライン上に公開されてしまう復命書を書いてみました。
当日資料の添付ではないタイプの復命書ですので、ご拝読いただけると幸いです。
※あくまで復命書です。記載内容は筆者個人としての見解・感想であり、町としての公式な見解ではございません。
復命書
日時
令和5年12月4日(月)10時〜17時
用務先
奈良公園バスターミナルレクチャーホール
用務
「奈良にいい会社をつくろうサミット」への参加
復命事項
以下のとおり。
どんなイベント?
今回参加したイベントですが、株式会社中川政七商店による奈良のまちづくり・N.PARK PROJECTが主催する1DAYイベント「奈良にいい会社をつくろうサミット」というイベントです。
三宅町は「対話・挑戦・失敗の精神を大切に、前向きな挑戦を積み重ねていく」をバリューに掲げており、町としてもスタートアップ企業の創出などのチャレンジを実行しており、「奈良にいい会社をつくる」というチャレンジを勉強すべく、今回参加してきました。
冒頭、中川代表から、会社としての「利益」・「共通善(SDGs・環境経営等の企業の社会的責任を果たすこと)・個別善(その会社が目指すべき姿)が揃ってこそいい会社になるのではないかとのご挨拶で幕を開けました。
そこから基調講演、パネルディスカッション、学生プレゼンテーション、奈良県のフロントランナーセッション、ビジネスコンテスト、交流会と盛り盛りの内容でした。
どれも濃い内容で勉強になることばかりでした(事務局の準備の大変さがひしひしと伝わってくる濃ゆい内容でした)。今回はその中でも刺さる言葉がたくさんあった基調講演会について報告します。
今回の基調講演は一般社団法人法人エリア・イノベーション・アライアンス代表理事の木下斉さん。
講演の結びは「まちを決めるのは行政ではなく「企業」、いい会社があるまち=いいまち」。
行政職員からするとぎょっとする言葉ですが、ここに至るまでの講演中の言葉を頼りに、じゃあ行政は何ができるのかと考えてみました。
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基調講演の中身
いままでの常識って?
高度経済成長期の第二次産業の伸長により、大量生産大量消費型社会が形成され、それが日本に適応し、成功を収めたという過去の体験に基づいた「常識」が形成された。
しかし、この「常識」は衰退局面での「常識」にはなり得ない。過去に何があってそうなったのか、そして今は何を求めているかを分析・理解する必要がある。
三宅町では人口ビジョンによって、人口が増えない将来=人口減少の衰退局面の到来を提示しています。この言葉から学ぶことは、従来と同じやり方の役場経営は通用しない時代になってきているということ。過去の常識にとらわれた役場経営から脱却し、現状を分析し、5年後10年後を予測した施策を実施していく局面が到来しているのだと思います。一方で、ただ単に過去の常識を無視するのではなく、過去の常識に学び今何をすべきかの示唆に富んだ言葉だと思いました。
![](https://assets.st-note.com/img/1701827257377-Qm4ug6rQjA.jpg?width=800)
需要制約から供給制約の時代へ
需要制約から供給制約の時代への大転換。
総人口=需要、生産年齢人口=供給、
総人口の減少よりも生産年齢人口減少が早く、影響が大きい。
人口減少=国内需要の減少という認識はあったのですが、生産年齢人口=供給と捉えそこが減少してきているという認識まではありませんでした。供給が細ってきているからこそ、提供できるサービスにも限界が生じてきた、従来どおりの価格帯でサービスを維持するには無理が生じてきているとのことでしたが、役場はなかなかそうもいきません。むしろ多様化する住民ニーズに対して、事務の効率化や外部の力の活用など従来の手法にとらわれず対応していくことが求められてきているのではないかと思います。
補助金
補助金依存で採算とれない活性化策をやればやるほど地方は衰退。
行政職員である以上、非常に刺さる言葉だと思います。今後、この点を考えている自治体とそうでない自治体の差が大きくなってくるような気がします。
課題は地方にこそある
地方の方が産業の構造変更が早い、解決すべき問題は地方にこそある。
地方で成立しているビジネスが都市圏に波及していく時代。
地方のほうが高齢化の進展が早く生産年齢人口の減少が始まり、そしてゆくゆくは都市部にもそれが広がっていくことから、このような言葉が出てきました。従前は東京で成功した事業をそのまま地方にもってくるということがあったそうですが、今はその逆。自治体職員としてのやりがいを感じる言葉だと思いました。
地域課題の解決に向けて
地元のことは地元が考えなければならない、その変化に敏感なのは民間セクター。
行政は変化の最後列である。社会の雰囲気・習慣が変化した後に法改正・制度改革が始まる。
が、行政の変化は最後列であるとのこと。法改正、制度改革は十分な議論と検証を行った上で実行していく必要があるため、どうしても最後になってしまいがち・・・。けど変化に敏感になることは行政でもできるはずだと思いました。変化は最後かもしれませんが、今ある制度の範囲内でも民間セクターに伴走していくことはできるはずだと(勝手に)解釈しました。
私と公共の中間領域
公益と共益の成立がまちづくりに重要、
私と公共の間の領域を公共に任せすぎた。
以前参加した、QUINTBRIDGEでのトークセッション「ビジネスとソーシャルのあわい」で議論を思い出しました。従前公共が担っていた部分を、公益と共益が成立する絶妙なバランスで官民が協同することで、ゆくゆくはソーシャルインパクトを生むような事業に成長させていくことが求められているのだと感じました。
まずやってみる
何を言われてもやる側に回るか、やらずに文句をいう側に回るか。
というわけで今後もみやけイノベーション推進部、やる側に回っていきたいと思います。木下さんの結びの言葉を拝借して、「まちを決めるのは行政ではなく「企業」、いい会社があるまち=いいまち(が実現するよう行政の役割を正しくきっちり果たす!)」と言葉を足して、今回の復命にしたいと思います。