【データで見る医療のはなしvol.5】とりあえず時間の確保から~ストレスとメンタルヘルス~
第3期データヘルス計画では、計画全体の目的として『健康寿命の延伸』と『医療費適正化』を掲げています。
その目的達成のために、各種個別保健事業があります。特定健康診査などの事業は身体の健康を維持・増進することを目指していますが、これらと共に重要とされるのが、メンタル疾患を予防しこころの健康を維持することです。
そういえば、「メンタルヘルス」という言葉がすっかり定着したのは、いつ頃からでしょう?
厚生労働省は、健康日本21(第二次)において、「社会生活を営むために必要な機能の維持・向上に関する目標」を定め、自殺者の減少や、メンタルヘルスに関する措置を受けられる職場の増加を目指しています。
職場に限りませんが、私たちのまわりには、さまざまな「ストレス」があります。
そもそも・・・「ストレス」とは⇒外部からの刺激を受けた際に心身に生じる反応であり、その刺激を「ストレッサー」と呼ぶのですが・・・
世の中ストレッサーだらけ
本来ならば、良い出来事であるはずの「結婚」や「進学」、「昇進」も広く考えるとストレスにつながります。
さらに自分が成長して、より幸せになるきっかけのはずなのに??です。
結婚なら日取りや家族・親族とのお付き合い、進学や昇進では新しい学校や仕事での気遣い等々・・・まさに「外部からの刺激」がいっぱいです。
三宅町国民健康保険に加入されている方は、世代もさまざまですが、就学されている方、仕事に就いている方、家事をされている方、病期療養中の方・・・それぞれの方に、それぞれのストレスが想像できます。
メンタル疾患の医療費
計画書にはメンタルヘルスについて詳しい記載がありませんが、計画策定時に行われた医療費分析の抜粋が以下の表です。
「気分〔感情〕障害(うつ病等)」、「神経症、ストレス関連等」、「不眠症」、「アルコール使用障害」に関する診療行為がある方を“メンタル疾患”として、分析したものです。
令和4年度の医療費全体における「精神及び行動の障害」、「神経系の疾患」割合は12.4%
このうち、「メンタル疾患」の割合が28.7%です。
「メンタル疾患」のうち、53.0%は「不眠症」で、医療費は10,648,104円となっています。
睡眠不足は不調のはじまり
うつ病を発症した多くの方に不眠症状がみられます
また、不眠症状のある人はうつ病にかかりやすいといわれています。
睡眠の乱れが、さらにストレスとなります。
それほど睡眠は大切なのですが、忙しくなるとつい、削ってしまいませんか?
まずはとりあえず時間を確保すべきでしょう。
うつ病やうつ状態となると、喫煙率が高くなる・肥満傾向になる・服薬をしなくなるなど健康的な生活習慣が妨げられる傾向があるようです。
その結果、基礎疾患の悪化につながることも考えられます。
睡眠障害、アルコール使用障害は気分障害(うつ病等)と関連が深いと考えられています。
まずは、睡眠時間の確保から。良質な睡眠は、そのあとで少しずつ手に入れていきましょう。