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学校に関する規則を変えた!?

教育長の大泉です。
三宅町に来てまもなく1年になります。
この1年間、三宅町教育委員会ではいろいろな教育施策をすすめてきましたが、その中でも学校教育の分野では「学校に関する規則を変えた!!」というのが一番の大仕事だったと思っています。
 
そもそも、日本の学校というものにはどんな定義があって、それはどのような法令で定められているのでしょうか。

日本の学校制度に関する国の法律は・・・ 

日本の学校制度は、主に以下の法令によって定められています。

一番上位にあるのはいうまでもなく『日本国憲法』です。
教育の機会均等を保障しています。
 
次に『教育基本法』があります。そこでは日本の教育の理念が定められており、学校教育の目標を「心身ともに健康な国民の育成」と示しています。
 
さらにその下に『学校教育法』があり、そこでは学校制度の詳細が定められています。幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校、高等専門学校、大学、大学院に関することや教員の免許状、学校施設、教育課程などについて規定されています。

文部科学省の学習指導要領は・・・

これら国が定めた3つの上位法をうけて、文部科学省が『学習指導要領』を定めています。この学習指導要領では、各教科の目標、標準の授業時数、履修すべき学習内容などについて定められています。

市町村での学校制度に関する規則は・・・

では、たとえば「夏休みはいつからいつまでか」というような、もっと細かい規定はどこに書かれているのでしょうか。このような規定は地域によって事情が違いますから、日本全国一律というわけにはいきません。
 
そこで、各市町村ごとに『学校の管理運営に関する規則』というものがあり、各市町村教育委員会がそれを定めているのです。三宅町にも『三宅町立学校の管理運営に関する規則』というものがちゃんと存在するのです。

今年度「学校に関する規則を変えた!!」と言いましたが、この『三宅町立学校の管理運営に関する規則』を教育委員さんたちと話し合って改訂したということなのです。
 
この規則の「第1章 総則(この規則の目的)」にこのように書かれています。

第1条 この規則は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律 第33条の規定に基づき、三宅町立小学校の管理運営に関し、学校教育法施行細則に定めるもののほか、必要な事項を定めることを目的とする。

つまり、「学校の管理運営に関して、教育委員会がいろいろなことを定めてここに書いておきますよ。」ということですね。全国市町村の「学校の管理運営に関する規則」を読んでみてもおおむねこのような書きっぷりとなっています。

学校が自律性を大事にできるように規則を改正しました

今回、私たちは学校の管理運営に関する規則に以下のような一文を加え、この規則の目的をもっと明確に定めました。 

第1条 この規則は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律 第33条の規定に基づき、三宅町立小学校の管理運営に関し、学校教育法施行細則に定めるもののほか、必要な事項を定めるとともに、教育委員会と学校の権限及び責任関係を明らかにし、もって学校の自律性に基づく適正かつ円滑な学校運営に資することを目的とする。

「教育委員会と学校の権限及び責任関係を明らかにし、もつて学校の自律性に基づく適正かつ円滑な学校運営に資することを目的とする。」という一文を加えることによって「教育委員会はここにいろいろなことを定めていますが、あくまでも学校が自律性を大事にしながら運営できるようにするためのものですよ!!」ということを強調したかったということなのです。
 
 学校には守るべき法律はいろいろあるけれど、あくまでも先生方が子どもたちと一緒に主体性をもって自由に学びの場を創造していく…。教育委員会は、細かいことまですべて決めて指示するのではなく、学校の自律性を応援するところなのだということをきちんと規定しておきたかったのです。
 
 短い一文ではあるけれど、三宅町にとっては大きな意味をもつ一文だと思っています。

 規則の改訂で何か学校が大きく変わるというものではありません。でもこの一文で、学校をみんなで応援しようという気持ちはさらに大きくなったような気がします。