2023年も終わろうかというタイミングで、「対話」について語る。
こんにちは。政策推進課の松田です。
いよいよ2023年も終わりですね。
三宅町はビジョン・ミッション・バリューを掲げており、その中のバリューの1つに「対話」を定めています。
一昨年から「対話」を学ぶ研修や、ワークショップを開催してきましたが、
先日一区切りとなりましたので、少しまとめたいと思います。
♪ちょうど1年前に~(ロード)書いた記事です↓↓↓
「対話」と「討論」の違い
ってご存じですか?
「対話」できてますか?と問いかけると、ほとんどの人が「できてる」と答えると思います。
でも、それはなんとなく「面と向かって話する」、コミュニケーションをとるくらいのイメージの人が多いのではないでしょうか。
私も、意味はよくわかっていなかったと思います。
ですが、三宅町では一昨年から、津屋崎ブランチ代表の山口覚さんをお招きし、「対話」について学ぶ取り組みを行ってきました。
まず「対話」について
これを毎回ワークショップの前に、見えるところに掲示して、
最低限守るルールとして、お話しくださいます。
一方で、「討論」というものがあります。
いわゆる「ディベート」というものです。
「討論」では、
このように「対話」と「討論」は正反対の性質を有しています。
「討論」は、言い負かす、論破することで主張の優劣をつける。
これはこれで1つのあり方ですが、日頃からこれだと、人間関係がギクシャクすると思いませんか?
相手の話をちゃんと聴く。
心の中で「いや、そうちゃうやろ」という気持ちが起こるのはわかります。すごいわかります。
でも、その時点で相手の話をちゃんと聴けてない。
「討論」モードになってしまっています。
「いや、そうちゃうやろ」と思うところをグッとこらえる。
相手の話を最後まで聴く。
そうすると、案外納得できたりする。
「討論」では納得したら負けですが、「対話」はそこからスタートです。
「対話」によって何が生まれるか
「討論」の目的は、相手を言い負かすこと。
「対話」の目的は、参加している人みんなで同じゴールを目指すこと。
あるテーマについて、1つの結論を出す。
その意味においては、「対話」も「討論」も同じです。
しかし、
「討論」だと、誰かの意見が理屈や言い方によって通ってしまう。
他の人の意見はないものと同様になり、否定された訳だから、気分も悪い。
それが続くと、人間関係も悪くなってくる。
一方、
「対話」は、参加者の意見は受け入れられる。
結果、それとは違う結論に至っても、受け入れられた上で、いろんな可能性を一緒に考慮することになるので、完全に否定されたのとは違う感情になる。
また、黙って考えていてもいいし、発言を強制されない。自由な発想で意見を言うことができる。
いろんなアイデアが出てきて、そこからまたいろんなアイデアが飛び出していく。
決して、「討論」が悪と言っているわけではないです。
裁判とか、「討論」の最たるところですよね。
ルールに則ってやる分には、上記のデメリットは問題にならないので。
話を「対話」に戻し、性質やメリットに鑑みれば、以下のような効果があると思われます。
これは、会議などを想定したものですが、
日常のコミュニケーションも「対話」の心得をもつことで、
素敵なものになるんじゃないか、と思います。
最低限のマナーや気遣いは必要としても、
気兼ねなくいろんなことを言い合える。
言いたいことが言えない、ギスギスした空間より、その方がいいと思うんです。
そのためにも、「対話」のことについて知る機会は大切なんだと思います。
2023年は何をしたか
今年は、3回ワークショップを開催しました。
3回それぞれテーマがあって、そのテーマに集中して話し合いを進めていきました。
①アイデアを広げる
②判断材料を出す
③アイデアをまとめる
3回のワークショップで決めるのは、
「三宅町でやりたいこと、やれること」という仮想テーマについてです。
本当は、全回同じメンバーでやりたかったところでしたが、
日程の関係上、その都度のメンバーで話し合いを進めていきました。
3回のすべてに共通しているのは、
上で述べた「対話の心得」が守られるかどうか。
逸脱しそうになると、ファシリテーター役が止めたり、場を回しますが、
そこまで場が荒れるようなことはなかったかと思います。
簡単にですが、3回の経過を示しておきます。
三宅町の「対話」これから
ひとまず、3回のワークショップをもって一区切りとなりましたが、
三宅町の「対話」に関する取り組みは続いていきます。
年明けには教育委員会で、小学生を対象にした「子ども会議」を開催する予定です。
私たちが主催していたワークショップは、大人向けというか、子どもたちに向けた周知は行っていなかったので、小学生が大人とどんな「対話」をするのか、楽しみなところです。
参加した(し続けた)人には、「対話」の大切さというものが伝わってくれたかと思います。
今後は、その大切さが実感してもらえるように、今まで学んできたことを盛り込んだ取り組みを進めてまいります。