役場DX事情小話
教育長の大泉です。小話を一つ。
ある日、わが教育総務課に一通の封書が届きました。とある公的機関からの調査依頼で、たくさんの質問事項と回答書が入っており、返信用のレターパックが同封されていました。
担当者の課員Aは、いつもとても仕事を処理するのが早く、この件に関してもテキパキと調査をし、すべての質問にきっちりと回答を記入してくれました。そしてレターパックに梱包し、ポストに投函したあとはまた通常の業務に追われていました。
数日後、調査依頼のあった公的機関から教育総務課に電話がかかってきました。たまたま課員Aは不在で、入庁2年目の課員Bが電話を受けました。先方からの電話の内容を要約すると次のとおりでした。
・早速回答を返送していただき感謝している。
・ただ、レターパックにもともと貼っておいた切手は郵便料金改定前のものだった。
・新料金で送付できるように60円切手を同封していたはずだ。
・不足料金はこちらで支払っておいたので60円切手は返送してほしい。
たしかに当初届いた封書の中に60円切手が同封されており、「お手数でですがそれを追加で貼って返送してください。」というメモも同封されていて、課員Aはそのことを失念して追加の切手を貼らずにレターパックを返送していたのでした。
さて、常にユニークな視点で役場の業務を俯瞰している課員B。彼は素朴に沸き起こった疑問を電話の相手に投げかけました。
「60円切手を返送するのに110円切手を貼って封書で送付してほしいということですか?」
「こちらが不足分はお支払いしているので、60円切手は返していただかないと…。」
「だから110円切手を貼って…」
課員Bは簡単には引き下がらず、このやりとりが数分続いたとか…。(やりとりしながら課員Bは笑いをこらえていたそうですが。)
結局、60円切手はいまだこちらでお預かりしたままとなっています。
さて、そもそもこのエピソードのどこに問題があったとみなさんは思われますか?
本日の「役場DX事情小話」、おあとがよろしいようで。