学校の教科書がどのように決まるか知っていますか?
こんにちは。教育委員会事務局の増田です。
ようやくnoteの記事を書けました。
(前回の記事は、実はほとんどを教育長が書いてくれ、自分は書き出し部分だけを加筆しただけでした…教育長すいません…)
今年の組織目標が発表!
先日、教育委員会事務局の局長より、今年度の組織目標が発表されました!いろいろな課題に対して、今年度にどの分野を重点的に対応するかが記載されております。
今年度の教育委員会事務局が重点的に取り組む課題のひとつは「情報発信」でした!
来年度からは小学校の建替えなどの検討が本格的に始まることもあり、教育委員会事務局でのいろいろな進捗状況などをお知らせしていきたいと思います!
15年ほど前に数年間だけ書いていたブログのことを思い出しながら、三宅町公式noteのフォロワー増えて欲しいと思いながら、書いていこうと思います。
さて、ここから本題です。
さて、本題ですが、皆さん。自分や子どもたちが使っている教科書がどのように選ばれているかご存知ですか?教育委員会2年目の私も、実はこの4月に初めて知りました。
教科書は、正式には教科用図書と呼ばれています。
(これも最近知りました。)
現在の小学校では、11つの教科の教科書が使用されています。そして、教科書は定期的に更新されていきます。一つの教科書は4年間同じものが使用され、5年目に新しい教科書に切り替わります。
次の教科書では、QRコードなども記載されており、GIGAスクールで整備された一人一台端末を活用して、児童生徒が探求していけるような内容にもなっています。
そんな教科書は、市町村によっても異なります。
奈良県では県内市町村が18つの地区に分けられており、それぞれ異なる教科書が使われています。
ちなみに三宅町は「第11採択地区」という磯城郡(三宅町、田原本町、川西町)と、高市郡(明日香村、高取町)の5町村で構成される地区に所属しています。
教科書が決まるまでの流れ
そんな第11採択地区では次のように教科書を選んでいくことになりました。
教科書の検定
出版社が作成した教科書が学習指導要領などに沿うものか文部科学省が検定します。教科書の見本が送付
文科省の検定に合格した教科書が次々に市町村の教育委員会事務局へ送られてきます。(三宅町にはダンボール40箱ぐらい到着しました…)教科書を分別、配布
ダンボールに入っている教科書を教科ごとに仕分け、5町村の小学校の先生に配布します。教科書の調査研究
各教科の担当に選ばれた先生(調査研究員と呼ばれます。)は、配布された教科書を比較して、どれが子どもたちの学習に適しているかを調査研究をします。調査結果の報告書を作成
各教科の代表の先生は、調査研究の結果を報告書にまとめます。調査結果を報告
代表の先生からそれぞれの教科ごとに調査結果の報告がされ、教育長、保護者代表の方が教科書の種類を決定します。(報告は1教科あたり20分程度、11教科の報告を丸一日かけてしていただき、その内容を検討していきます。)教育委員会で採択
6で決定された教科書をそれぞれの教育委員会の委員の皆さんが判断して、11教科の教科書として最終的に採択していきます。
今年は「次の小学校の教科書」を採択
そんな手順で選ばれる教科書ですが、今年は令和6年度から令和9年度まで小学校で使用される教科書の選定が行われます!
次の教科書の候補は、事前に文部科学省での検定を受けた「54種類」にもなります。
この54種類の教科書の中からどの教科書がよいか、学校の先生が1冊1冊を丁寧に読み込んで調査・研究を行います。
例えば、国語の教科書を調査研究する先生は、国語3種類、書写3種類からそれぞれ最も良いと思う教科書を選ぶ作業をしますが、それぞれ1年生用から6年生用まであるので、読まないといけない冊数は何と33冊!!
しかも、教科書の出版会社からの賄賂や癒着を避けるため、同じ学校の同僚の先生にも秘密にしなければなりません。そのため、教科書を研究するためには、職員室以外の場所で作業を進めないといけません。その作業の大変さはどれぐらいになるのか、、、
ここでも教員の働き方改革の必要性をひしひしと感じます、、、
また、教科書をそんな大変な苦労の上で選ばれた教科書に落書きしたりして、自分は何て粗末に扱っていたのかと、深く深く反省、、、
自分は教職員ではなく、ただの事務屋ですので、できることは限られますが、これから4年間子どもたちの学習を支えるよりよい教科書が選ばれるように先生方を微力ながら支えたいと思います。
(なお、教科書選定は、中立で公正で透明性のある作業が求められますので、学校や先生方への接触は絶対に行わないでください。)