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その「息切れ」大丈夫?

みなさん、こんにちは。三宅町健康子ども課です。
いきなり、何聞くの? そう思いますよね。
でも、みなさん!
「息切れでしょ?」ってバカにしないでくださいね。とっても心配な「息切れ」があるんです。今回は、この息切れの原因にもなる「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」についてのお話です。「わたしには関係ないわぁ~」と思わず、大切な人のために、少しだけお付き合いいただければと思います。


「息が苦しい・・・」それは、ただの老化じゃないかも・・・

みなさんは、COPD(慢性閉塞性肺疾患)っていう病気を知っていますか?
以前、「日本の成人8人に1人」について尋ねたことがありました。覚えているでしょうか? 「8人に1人って言ったら、CKDやろぉ~?」と思っていただけたあなたは、もう立派なCKDマイスター!
実は、今回のテーマであるCOPDも「8人に1人」と言われています。ただし、年齢が少し違います。60歳代の8人に1人、70歳以上の6人に1人がCOPDだと言われているのです。もしかすると、わたしや家族、大切な人がかかっているかも知れない、それがCOPDです。
三宅町では、平成30年度にCOPD対策をスタートしましたが、新型コロナウイルス感染症の流行で令和2年度から5年度まで事業を中断し、令和6年度に再開しました。なぜ、三宅町でCOPD対策なのか? 一体、何をしようとしているのか? そんなことをお伝えしたいです。

COPDって?

COPDは、「たばこ病」と言われ、その原因の90%以上が喫煙だと言われ、長い年月たばこを吸い続けることで肺が傷つき、息がしにくくなる病気です。初期の症状は「せき・たん」「ちょっとした動作での息切れ」など、ありふれた症状なので見過ごされてしまっていることが多く、気づいた時にはかなり進行し、呼吸不全や心不全を起こすなど命にかかわることもあります。もし、今、たばこを吸っているのなら、このまま吸い続けるのかどうか、少し立ち止まってもらえたらな・・・って思います。

COPDの症状
階段の上り下りなど体を動かしたときに息切れを感じたり、風邪でもないのにせきやたんが続いたりすることがCOPDの主な症状です。COPDの症状は、ありふれた症状であるため、見過ごしてしまいがちで、COPD発見の遅れにつながります。 COPDが進行すると少し動いただけでも息切れし、日常生活もままならなくなります。さらに進行すると呼吸不全や心不全を起こす命に関わる病気ですので早期発見、早期治療が重要です。また、肺だけでなく全身に影響をもたらして、全身性炎症、心・血管疾患、骨粗鬆症、糖尿病などを併発しやすいことが知られています。特に40歳以上の方で、喫煙歴のある方は要注意です。以下のような症状のある方は、軽く考えず早めに呼吸器専門医にご相談ください。階段の上り下りで息切れがする。
・せきやたんが出る。
・風邪が治りにくく、せきやたんが出る。
・喘鳴がある。呼吸のたびにゼーゼー、ヒューヒューがある。

一般社団法人 GOLD日本委員会「COPD情報サイト」

なぜ、三宅町でCOPD対策?

三宅町は、男性の肺がん死亡率が奈良県や全国と比べて有意に高く、COPDの死亡率は男女ともに国・県平均よりも高くなっています。そして、また、三宅町は喫煙率が高く、国民健康保険加入者の内、男性の喫煙率が24.7%と中和保健所管内で2番目に高くなっています。一方で、喫煙者の過半数(57.7%)が、たばこをやめたいと思っているというデータがあります。実は、COPDは肺がんのリスクを高めると言われているんです。COPDに対する取り組みをすることが、肺がんや心疾患を防ぐことにつながる! そんな思いから、COPD対策を進めることになりました。

今、考えている取り組み

平成30年度から今年度まで3年間、COPDに対する取り組みを進めてきました。でも、まだまだCOPDの認知度が低く、わたしたちだけの力では限界があります。そこで、隣町である広陵町の取り組みを参考に、来年度、奈良県立医科大学呼吸器内科学講座と地域の医療機関のお力をお借りしながらCOPD対策に取り組んでいこうと思っています。COPDって何なのか、どんな症状があるのか、COPDになっていないのか、COPDになってしまっていたらどうすればいいのか・・・そんな疑問や不安を解消できるセミナーを開くことが出来れば良いなと思っています。時間を合わせ、ぜひ、参加していただけたら嬉しいです!

2人のすごい専門医の方々に三宅町の現状をお伝えしています。
(奈良県立医科大学呼吸器内科医局にて)
奈良県立医科大学呼吸器内科学講座内科学講座公式facebookに掲載していただいてます。

ご協力いただける2人のすごい専門医です!

奈良県立医科大学呼吸器内科学講座 教授 室 繁郎 様
(奈良県立医科大学附属病院副院長を兼務)
奈良県立医科大学呼吸器内科学講座 講師 谷村 和哉 様

さいごに・・・

COPDは決して他人事ではありません。今、何も症状がなくても、20年以上の年月を経て、わたしたちの身体をボロボロにしていきます。
まずは、COPDについて知ることが一番大事!
「たばこを吸わない」というのは、自分だけではなく周りにいる人たちもたばこの煙を吸わない、周りにいる人たちに煙を吸わせないということです。1人でも多くの人が、将来にわたって自分らしく生活できることを、わたしたちは願っています。ぜひ、今後開催されるセミナーに足を運んでいただきたいです。乞うご期待を!


コチラもどうぞ!

健康日本21(第三次)でCOPDの死亡率低下を目標に掲げ、日本呼吸器学会では、日本呼吸器学会COPD死亡率減少プロジェクト(通称:木洩れ陽2032
という活動をされています。実は、今回、協力していただけることになった奈良県立医科大学呼吸器内科学講座 室教授は、このプロジェクトの立ち上げに携わっておられる方です。COPDのこと、活動内容について記載されていますので、こちらも、ぜひご覧ください。

「えっ、わたし、大丈夫かな?」と心配になった方は、こちらの質問票で簡単に確認できますよ。⇒COPD集団スクリーニング質問票