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【インタビュー掲載】10代の今と未来を信じる人 ~山本編~

ユースセンタープロジェクトのリーダー、地域おこし協力隊の山本です。
今回は少し趣向が変わりまして、私、山本のことをインタビューしていただきました。
少し照れくさいですが、以下インタビュー記事となります。
仲間も募集中!最後まで読んでもらえると嬉しいです。


奈良県磯城郡(しきぐん)に属し、面積4.06平方キロと全国でも2番目に小さい町、三宅町。大阪・京都などの都心部と山間地帯のちょうど中間に位置する「ちょうどいい田舎」です。
一方で三宅町に高校はなく、三宅町に住む中学生は私学等への進学、高校生は、奈良県内をはじめ大阪や京都などの学校へ通っており、進学とともに町を出ていく若者も多くいます。
そんな三宅町で中高生のための居場所「三宅町ユースセンター(仮称)」が立ち上がったのは、2023年10月のことでした。居場所の運営に取り組む山本さんの想いを、インタビュー形式でお伝えします。

お話を伺った山本さん(写真左)と町長

【三宅町で10代の居場所づくりに取り組む地域おこし協力隊を募集!】
三宅町では10代の居場所の運営を担うコアメンバーを募集しています。運営にあたっては、全国の10代の居場所づくりを支援する認定NPO法人カタリバも活動をサポートします。採用についての詳細はこちらをご覧ください。


私が三宅町でユースセンターづくりを始めた理由

三宅町地域おこし協力隊として活躍する山本紗哉加さん(以下、山本さん)は、中学校での教員経験を経て、三宅町でのユースセンターづくりに関わり始めました。

――山本さんが教員からユースセンターづくりに興味を持ったきっかけを教えてください

山本さん:教員を志すようになったのは、中学生のときでした。そのときの先生方の関わり方がとても印象的で。例えば、卒業研究ということで好きなことをやらせてもらったことがありました。今見返したら恥ずかしくなるくらいのクオリティなのですが(笑)、当時の先生方が自分たちがやりたいということを否定せず、応援してくれたんです。すごく背中を押してもらったし、良い学びを得た経験でした。「こんな大人になりたい」と思い、そこから教員を目指すようになりました。

教員時代の山本さん

山本さん:大学卒業後、憧れの教員になり、子どもたちの成長を見守った3年間は宝物になりました。その中でも忘れられない出来事があって。当時、手を焼いていたAくんという子がいるのですが、ある時、勝手に学校でお菓子をばらまこうとしたことがあったんですね。当然教員としては指導をする必要があったので、止めに入りました。当時私は教員として駆け出しだったこともあって、子どもたちに向き合う余裕を持ててなかったんですよね。ただ、Aくんも卒業間際ということもあって、ふと教員という肩書きを一旦脱いで本人とじっくり向き合ってみたんです。そうしたら、思いもよらずAくんから本音のようなものが出てきて。「実は将来こんなことをやってみたいんよな・・・」と、気づけば二人で夢を語り合っていました。と同時に、無理して教員ぶっていたことを、子どもたちからはとっくに見透かされていたということも知りました(笑)。子どもたちの声を聞いて、思いに寄り添えるような大人になりたかったのに、自分はそれとはかけ離れた大人になっていた。もっと子どもたちを信頼して、目に見えていることの奥にある思いに丁寧に向き合えばよかったと、申し訳ない気持ちになりました。
学校だからこそできることがたくさんある一方で、学校ではないからこそできることもあるのではないかという思いも芽生え、一度、もっと広く教育を考え直してみたいと思って大学院に進学することにしたんです。

大学院時代の山本さん(「小布施若者会議」にて)

山本さん:教員以外も含めてもっといろんな価値観・立場の人が子どもに関われるようになったら良いなという思いで大学院での研究をするうち、たどり着いたのが中高生の居場所というテーマでした。いつか自分もそんな居場所をつくってみたい。院を修了して教員に復帰したときも、あえて講師として関わり、虎視眈々と居場所づくりに関わる機会を探していました。そんなときに偶然目に飛び込んできたのが「三宅町ユースセンター立ち上げリーダー募集」のお知らせだったんです。

――三宅町でユースセンターをつくろうと思ったのはなぜですか?

山本さん:もともと私は奈良出身でして。26歳の頃まで過ごしてきたこともあって、奈良はまさに自分の故郷と言える場所なんです。ただ、結婚して新潟へ引っ越してしまってからはなかなか関わりが持てずにいました。それでも、先ほど話した恩師然り、自分を育ててくれたこの地域に恩返しがしたいという思いは漠然とあり続けました。子どもたちへの思い入れも強かったですし、原点である奈良でこそやりたいと思ったんです。
町長をはじめ、行政が中高生世代に心を寄せ、何かしたいと思っているということにも惹かれましたね。実際、居場所づくりでは行政と関係性をつくることも一苦労だと思うのですが、その点、三宅町は行政が活動を応援してくれているという安心感がありました。
実際に活動を始めてみてからは、三宅町ならではの良さを感じることもあります。何かをお願いしたいときに思い浮かぶ顔があったり、協力してくれる人がいたり。小さいからこそ動きやすい、というのはこちらに来てみて実感しているところですね。

聖徳太子が通ったと言われる「太子道」が有名な三宅町

「小さな町」だからこそ、多様な機会をつくりたい

2023年5月に地域おこし協力隊に赴任した山本さんは、今まさに三宅町での居場所づくりに取り組んでいる最中です。

――どんな居場所を目指していますか?

山本さん:とにかく「ここに来たら自分は信じてもらえる、大丈夫だ」と思えるような場を目指しています。実際に開室すると必ず来てくれるような常連の子たちがいるのですが、彼らは「自分の話を聞いてもらいたい」という気持ちで通ってきてくれていると感じます。何を話しても良いし、ただここにいることを否定されない。「ここは自分の居場所だ」と思ってもらうためにもまずはそこかなと。特定の価値観や理想像で子どもを縛らず、ニュートラルな考えでいることを心がけています。
その先には、興味関心を刺激されたり、いろんなことにチャレンジできたりすることも必要だと思います。三宅のような小さな町ではリソースも限られており、どうしても世界が狭くなりがちだなと感じるので、そういった経験や機会も運んでいきたいと考えています。

普段のユースセンター
NPO法人ASKと企画した「スケボー体験会 in Miyake」

――実際にどんなことをやってきましたか?

山本さん:今は数人の大学生スタッフが手伝ってくれているなかで、できることも限られてはいますが、中高生に身近なことやスタッフ自身の好きなこと・得意なことから企画を考えて実行しています。テスト前の勉強会、推しを語る会、中国語が得意な大学生スタッフによる中国語講座などなど。好きや得意の異なるスタッフの存在も、中高生の世界を拡げるきっかけの一つだと思っているので、まずはあるものから機会をつくってみようとしているところです。
中高生の「好き」や「やりたい」を引き出すのって簡単ではないんですよね。中高生自身がわかっていないことも多くて。どんな機会がそのアンテナに引っかかるかは試行錯誤している途中なのですが、多様にある機会のなかで、中高生が少しでも自分のことを知れたら良いなと思います。

プロのイラストレーターを招いたイベントの様子

子どもたちが自分や他者を信じられるまちにしたい

三宅町ユースセンターは本格運営を目指し、その運営を担うメンバー(地域おこし協力隊)の募集を行っています。

――こんな方と一緒に働きたい!という理想はありますか?

山本さん:何よりも子どもたちのことを信じてあげられる人とご一緒したいなという思いがあります。中高生は突拍子もない言動をとることもありますが、それでもまずは信頼してあげてほしい。何かを教えようとするのではなく、中高生の「好き」や「やりたい」から発想できる方に参画いただけたら嬉しいです。
あとは、思いを持ちつつ、その提案を形にするために必要なことを考えて動ける方ですかね。私自身、割と慎重派でじっくり考えてから行動したいタイプなので、一緒になって考えてくれる方がいたらとても心強いなと感じます。

――最後に、採用への応募を検討いただいている方に向けて、一言お願いします!

山本さん:町を巻き込んだ居場所づくりを実現できるのが、三宅町ユースセンターの何よりの魅力だと感じています。
10代には自分の今や未来に期待を持って生きてほしい。そのためにも、周りの大人や社会への信頼感を持ってもらいたい。ユースセンターもその一助になれたら良いなと思います。
私自身も動き始めたばかりですが、そんな想いに共感していただける方と一緒にワクワクする未来をつくっていけたら嬉しいです!

〜〜三宅町長森田浩司からのメッセージ〜〜

三宅町では、子どもの「笑顔」はみんなの元気をテーマとして、子どもたちの健全育成に資する取組を進めています。特に、思春期の子どもたちは、大人や社会の矛盾に気づき、自らの価値観が揺らぐ年齢であり、一人の人間として成長する分岐点でもあります。その時期に、親でも先生でもない多様な人々の価値観に触れ、学校でも家庭でもない場所で安心することができ、自分の思いを受け止めてもらい、そしてやりたいことや楽しいことを見つけていく経験は、その子の将来にとって貴重な財産になり、「生きる力」の根源になると思っています。そんな子どもたちが、将来の夢に、そして世界に羽ばたく姿を笑顔で見送ることが、私の夢でもあります。
今回、全国各地で「きっかけ格差」をなくし子どもたちの居場所と出番をつくるための活動を推進されている認定特定非営利活動法人カタリバさんと協働し、子どもたちの居場所づくりに取り組む人材を募集したところ、奈良県出身で元教員でもある山本さんが手を挙げてくださいました。
私と山本さん、そして子どもたちと共に、子どもたちの居場所をつくってくれる方をお待ちしています!

【三宅町で10代の居場所づくりに取り組む地域おこし協力隊を募集!】
三宅町では10代の居場所の運営を担うコアメンバーを募集しています。運営にあたっては、全国の10代の居場所づくりを支援する認定NPO法人カタリバも活動をサポートします。採用についての詳細はこちらをご覧ください。

(インタビュー・文:認定NPO法人カタリバ)