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【レポート】こどもがまんなかにある教育を目指した子ども会議を開催しました

三宅町教育委員会事務局の増田です。
またまた、久しぶりの投稿になりました…

前回は、年末に教育長が開催した子どもたちへの出前授業を紹介しましたが、今回はその後に行われた、子どもたちへのアンケートと、子ども会議の様子をご紹介します!


初めての「子どもたちへのアンケート」!?

教育に関する国や県の調査はもちろん実施しております。実は、子どもたちへのアンケートは、三宅町教育委員会としてはあまり実施しておりませんでした。
今回、教育長が「子どもたちからの意見をもらおう!」と最初に言われた時には、「えぇ…どうやってやろうか、、、」とかなり考え込んでしまいました…

教育委員会が教員の働き方改革を進めるために導入した保護者への連絡サービスはありますが、子ども向けではありません。素直にホームページで案内して意見を公募するか、GIGAスクールで導入した一人一台端末で意見を聞こうかなど検討していました。

そんなときに、教育長へ相談をすると「校長先生と話つけてきたで!小学校は出前授業するから、その時に配ってアンケート取るわ。中学生は案内文書配ってもらって、Googleフォームで回答してもらうわ。」と。
一瞬で結論が出ました!

そんなこんなで、アンケートを実施すると、いろいろな回答が返ってきました。想像力豊かな回答。家族思いの回答。悩みが感じとれる回答。希望に満ち溢れた回答。

子どもたちのアンケートに、今回はAIを使って分析をしてみましたので、その一部をご紹介します。

多くの回答があったキーワードが中央に大きき名詞、形容詞、動詞で色分けされています。

分析は数種類あったのですが、今回の図ではより多く回答された言葉を大きく表示してもらいました。

子どもの声を届けよう会議を開催

そんなアンケートとともに実施したのが、「子どもの声を届けよう会議」の開催です!
以前、私と課長は政策推進課という課におり、その時にも現在の三宅町交流まちづくりセンターMiiMoをどのような施設にして、そこでどんな取り組みをしていくのかを考えるための子ども会議をしていたので、数年ぶりの開催でした。

応募してくれたのは小学生5人と中学生4人。しかも、その中の一人は、以前開催した MiiMoの子ども会議に来てくれた当時中学生の妹さんも来てくれました!違う形でも何かの縁で関係が続いていくことが、とても嬉しく思います。

対話には大切なルールがあります

そんな子ども会議ですが、2月4日と2月25日の2日間で開催しました。1日目は、子どもと大人が対話をするときのルールなどを講師の山口覚さんよりご案内いただきました!

例えば、大人のルールはこんな感じです。
・評価しない
・同意を求めない
・質問責めにしない
・カッコつけない
・待つ!!

実は、このルール、意外と難しいんです。

言葉には、主観が多く入り込んでしまうので、「すごいね!」「いいね!」という相槌にも、発言内容や価値観を肯定する部分もあります。

また、自分の話には「共感してもらいたい。」という思いから、聞き手の様子を伺いながら(空気を読みながら)話し方を修正しているので、無意識に確認作業を挟んでしまいます。

最後の「待つ!!」がとても大切です。
子どもたちもしっかり考えをもっていますが、安心できる環境ではないときや、友だちがいない場面など、すこし発言までに時間がかかるときがあります。
そんな時に、しっかり待つことで、ぽつりぽつりと意見を出してくれます。

役場の大人同士の会議でも、なかなか意見が出ない会議もあります。意見が少しで出すと、ぽつりぽつりと対話が始まります。

今回の子ども会議でも、1日目から小学生、中学生の子どもたちも積極的に意見を出してくれました。

盛り上がったトークフォークダンス!?

1日目に特に盛り上がったのは、トークフォークダンスです。二重の輪の形に椅子を並べて、大人と子どもが内側、外側に分かれて向かいあって座ります。

そこで、講師の山口さんよりトークテーマの発表があり、向かい合った二人で一人ずつ1分間で挨拶から始まりトークテーマを話し合います。「最近楽しかったこと」「好きな教科」「好きな給食」「宇宙人はいるか」「仲のよい友だち」「大切にしている考え」などなど。テーマ一つごとに席を一つずつずれて、違う人とトークをしていくんです。

自分自身それほど社交的な性格ではないので、緊張の連続でしたが、途中からドキドキもありながら、大人も自身の子どものときの思い出を振り返りつつ、子どもたちと共通のテーマで話し合うことで、会場全体が若返っていたように感じました!


いよいよ本題!子どもたちの思いをまとめる!

2日目には、いよいよ本題のテーマに。
2日目の開催の直前に教育長から事務局のグループLINEにこんな投稿がありました!

25日(日)は第二回子どもの声を大人に届けよう会議です。目標は子どもたちとの対話により、「泉南市子どもの権利条例前文」のようなものをつくりあげることです。できればできたものを教育大綱の中心にしたいと思っています。

この泉南市子ども権利条例の前文はこちらです。

大阪の泉南市でも子どもを真ん中にしたまちづくりをされており、その条例の前文という形で、想いを強く伝えられています。

25日の会議は3時間というなかなか長い会議ですが、正直まとめられるのか、めちゃめちゃ不安でした。

先に結論から言うと、想像していたよりもとても良い文章を子どもたちと作れたような気がしています!

会議では大人も子どもも混ざった4つのグループに分かれて、グループで話し合いたいテーマ選びから始めました。

テーマはこの4つ。

①どんな先生でいてほしいか
②どんなおうちの人でいてほしいか
③どんなまちの人でいてほしいか
④どんな自分になりたいか

このテーマは、小中学生に回答してもらったアンケートの項目でもありました!会議ではすべての回答内容を見ながら、子どもたちが中心にキーワードを選び、意見交換をしながら文章にまとめていきます。

大人も意見を出し合いますが、意見に同意を求めたりせず、子どもたちの思考を深くしていったり、まとめていくようなカタチで話し合います。

子どもたちの思いにびっくりしたこと

特に自分がびっくりしていたのは、「子どもたち自身がどんな子どもでいたいか」についての文章でした。

発表のためにまとめられた文章です。

何にびっくりしたかというと。
・いじめや差別をしない。
・他人の意見を大切にする。
・そのままの自分を大切にする。
・人を思いやれる子どもになる。という点です。

いじめについては、全国の教育委員会や学校で、かなり慎重に丁寧に細かく扱われ、先生から子どもたちが抱える問題へのフォローがされているので、子どもたち自身も理解してくれているのはわかります。

そこに加えて、「差別もしない」と言う点で、人権意識の高さや、多様性への理解が子どもたちの間にも共有されていることにびっくりしました。

それに「他人の意見を大切にする。」「そのままの自分を大切にする。」「人を思いやれる子どもになる」は、多様性を相互に受容し、それぞれの価値観も認め合い、それぞれの幸せを見つけていくという思いが、まさにウェルビーイングの考えそのものではないかとびっくりしました。

デジタル庁のホームページで少しウェルビーイングについての説明がありましたので、参考に。


ウェルビーイングは三宅町のまちづくりの中心になる!?

このウェルビーイングは、三宅町でも令和元年から勉強が始まっていました。当時、民間企業でより早くウェルビーイングを取り入れている方々にお越しいただき職員向けの勉強会が開催されました。当時は建設前のmiimoの取り組みや子育て支援などに反映できないかを考えました。

当時は行政でもそれほどウェルビーイングを取り入れているところはあまりありませんでした。

ただ、今や地方創生の後継の補助金の主要な目的にもされているぐらい、ウェルビーイングは行政の中核となりつつある考えです。

教育委員会事務局内で今年度の全国学力状況調査の結果についての話し合いをしたときにも、教育長から子どもたちのテストの点数よりも「子どもたちが学校に行くのが楽しいと答えた割合を高くしたい!」という意見がありました。

子どもたちのウェルビーイングを高めるため、学校でも子どもたち一人ひとりがいきいきして、楽しい学校生活やこれからの人生を歩んでもらいたいという思いを強く感じました。

教育委員会としても、町長、行政部局と連携してまずは教育大綱を改正し、今回の会議での子どもたちの思いをまん中にした教育を提供していきたいと思います。そして、子どもたちが将来に活躍できるように支えていきたいと思います!



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