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教育長が小学生に出前授業をしてみたら

約5ヶ月ぶりのnote更新となりました。
教育委員会事務局の増田です。

この5ヶ月の間、予算編成やらなんやらかんやらバタバタしており、久しぶりの投稿となりました…


教育長からのオーダーがいっぱい!?


今回はわが町の教育長のお話です。
秋のまだ終わらない頃に、「これからの三宅町の教育はこうしたいんだ」と事務局の部屋にあるペーパーを持ってこられました。

そのペーパーには、「テーマは子どもたちは未来からの留学生」と書かれており、これからの目指すべき教育方針が書かれていました。(このテーマの意図は後半で。)

教育長は、町長や事務局長とも頻繁に今後の教育について日々議論されており、「町長とこのテーマで教育大綱を改正しようと思ってるんです。」と。

そして、教育長からこんなオーダーがありました。

①教育大綱を変えるために、町長、教育長、教育委員が集まっての「総合教育会議」を開いて欲しい。

②子どもたちの意見も取り入れたいので、小学生、中学生へのアンケートを取りたい。

③子どもたちと大人が対話をする機会を設けたい

④住民の方も含めて、今後の三宅町の教育について話をしたい。

⑤教育の方針を示したリーフレットを広報誌で配布し、特集記事も掲載したい。


教育長と事務局ではこんな議論も

教育長から「子どもたちは未来からの留学生」というテーマをもらったとき、私は教育長と事務局でこんな話をしました。

増田(ま) 「教育の目標には、学力向上であったり、将来の国の経済活動につなげることなどもあると思いますが、教育長の思う教育の目標ってなんですか?」

教育長 「私はよりよい生活を送るというウェルビーイングだと思っています。」

ま 「なるほど!子どもたちは一人一人のやりたいことが異なり、ウェルビーイングでいう一人一人が幸せと感じることは違うので、学力向上を目指していく子どももいますし、いろいろな教育が必要ですね。」

ま 「あと、ウェルビーイングの向上を目指すなら、「自己肯定感の向上」もその手前にあって、教育長が全国学力テストで最も重視する項目は「学校が楽しい」という項目ですか?」

教育長 「もちろん!子どもたちには学校が楽しいと思ってもらわないといけない。心理的な安全性があって初めて勉強ができる。ただ、私も学力は否定していないが、目に見える学力テストの結果などではなく、やり抜く力などの「目に見えない非認知能力」の育成を進めていきたい。」

教育長 「それだけでなく、一人も取り残さない多様な学びが必要なので、学校へ来れない子どもにも学びの機会を提供したい。」

ま 「なるほど。。。」

自分は事務職員で教員免許もないし、指導主事という教育を専門とする職員も事務局にはいますので、自分自身はあまり教育内容には関わらないようにしていました。

教育長と初めて教育論を話し合って教育長の想いや教育の大切さや学校の先生の大変さとともに、教育長、教育委員、学校を支える教育委員会事務局の仕事の重さを再認識…


「子どもたちは留学生」のイメージってなに?

本題の「子どもたちは留学生」というテーマに戻ります。先の教育長のオーダーにあった①子どものアンケートは何と教育長は自ら作成して、学校へ相談に行き、アンケートの取りまとめの打ち合わをされてこられました。(恐るべき行動力。)

手続きとしては、②子どもと大人の会議が気になります。行政の硬めの方法なら、広報誌やホームページに掲載します。他にも保護者へ案内文書を送付するなどがありますが、広報誌への掲載期限が終わっていたタイミングなので、どうしようかと教育長へ相談すると。

教育長 「来週、小学校へ出前授業に行くので、そこで案内しよう!」

ま 「えっ!出前授業ですか。」

教育長 「校長と話して、5年生と6年生に集まってもらって、話するねん。19日の8時半から。」

全然教育長のスケジュールを把握できていなかったので、出前授業をすることになっていたことのにびっくりしてしまいました。

いよいよ出張授業

出張授業には、小学5年生と小学生6年生が参加してくれました。後ろには町長、役場職員、校長、教頭、教育委員の皆さんも忙しい中お越しくださいました。

教育長の出張授業が始まります。

教育長 「おはようございます。僕のこと知ってますか?」
児童  「教育長!」「朝挨拶してる人」
教育長 「そうです。朝校門前で挨拶しています。」

教育長 「こんな話からします。留学生ってなんでしょう。」
児童  「外国からきた学生」
教育長 「そうですね。外国からきて、外国に戻っていく。ずっと住む人ではないですね。日本から外国で勉強することも留学です。」

教育長 「では、留学したい人はいる?」
児童  「はい!」「アメリカ」「フランス」「シンガポール」

教育長 「三宅町は留学生はいる?」「外国からきている人はいますが、まだ三宅町では外国からの留学生はいないと思います。」

教育長 「ぼくは、実は留学生はめっちゃいると思っている。どこかから来た留学生がいると思う?」

児童 「映画のやつ?」

教育長 「僕はみんなが留学生だと思っています。」

児童 「え!?」

教育長 「未来から来た留学生。実はぼくはみなさんは未来からきた留学生だと思っています。」

教育長 「今、いろいろな人とみんなのことを話しています。みんなは未来からの留学生ってどんな意味だと思うか。どんなイメージがあるか。考えてもらいたい。」

教育長 「今からプリントを配ります。じっくり考えて書いてもらうのは教室でしてくださいね。」

教育長 「あと、みんなの意見を大人が聞くという法律があります。」「みんな知ってるかな?」

児童 「わからへん。」

教育長 「この動画を見てみよう。」

教育長 「三宅町もみんなの意見を教えてもらいたいと考えています。」「みんなの意見はこのアンケートに書いてください。みんなの意見を参考にさせていただきます。」

教育長 「そして、大人と会議もします。大人に意見をいう会議に参加してくれる人を募集します。」「やってみたい人は担任の先生に申し込み用紙を渡してください。」

児童 「はい!」


怒涛の年度末!?

こんな感じで、無事に教育長の出前授業が終わりました。ただ、三宅町の教育改革は始まったばかり。

1月には、アンケートの集計をして、子どもとの会議の大人を集める動きをしないといけません。

2月には、子ども会議。ただ、教育長の出前授業のおかげで、もうすでに何人かの小学生が参加希望を出してくれています。

3月には初開催の教育フォーラム。もしかすると教育大綱の改訂も。


必死のパッチで、教育長についていかないと、振り落とされそうなスピード感です。教育委員と教育長を支えるのが事務局の仕事ですので、なんとか教育長を支えないと。

ところで、未来からの留学生って?

子どもたち向けには、「教育」を考えてもらうために、あえて真意を伝えなかった教育長ですが、背景にある想いは戸田市の教育委員会の戸ヶ崎教育長のお言葉をお借りするとこんな感じです。

つまり、教育の成果、つまり、子どもたちが社会で活躍するのは約20年後。今から20年前にはスマホもサブスクもない時代でした。これから20年後の世界はどんな世界か。そんな想像をしながら教育に携わるものは考えながら学校を経営し、教育サービスを提供していく。

それに加えて、海外からの留学生を受け入れる場合、文化が異なることもあるため、今の日本文化・歴史を教え、日本を理解してもらい、好きになってもらうような取り組みをすると思います。

そのような感覚を子どもたちに向けれるように教育に携わる者に持ってもらいたい。という想いも込められています。

これからの三宅町の教育について、少しでも興味を持っていただけたでしょうか?途中にもご紹介しました「三宅町教育フォーラム」はまだまだ募集中ですので、よければご参加ください!

さらに!今年で44回目の「三宅町マラソン」も参加者を絶賛募集中です!


(ちなみに)
私の家にもサンタさんが来ましたが、職場でもサンタさんからこんなプレゼントをいただきました。

ありがとうございました!おいしくいただきます!

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